魍魎の匣
ハコの中には 何がある?
2007年 日本
堤 真一/阿部 寛/椎名 桔平
最初の舞台は太平洋戦争末期の戦場。
榎木津礼二郎(阿部寛)は一人の兵士、久保竣公(宮藤官九郎)を助ける。
左目を照明弾にやられた榎木津は久保とともに洞窟へ逃げ込むが、そこで左目を開けると久保の姿を見て動揺する。
榎木津の目にうつったのは久保のおぞましい“記憶”だった。

――7年後、榎木津は東京で探偵事務所を開いていた。
ある時彼は元映画女優、柚木陽子(黒木瞳)と引き合わされ依頼を受ける。
陽子の依頼は一週間前に失踪した14歳の愛娘、加菜子(寺島咲)の捜索だった。
少女バラバラ連続殺人事件が世間を騒がせている頃である。

一方、作家の関口(椎名桔平)は「近代文藝」編集部へ向かっていた。
そこで偶然若手の作家、久保竣公と顔を合わせ彼の口から驚くべき知らせを受ける。
バラバラ死体の一部が「實録犯罪」編集部で見つかったというのだ。
久保は7年前、戦場で榎木津に助けられたその男である。

関口が「實録犯罪」の記者、鳥口(マギー)とともに中禅寺(堤真一)の元を訪れると そこには榎木津の姿もあった。
榎木津や関口からは“京極堂”の名で呼ばれる中禅寺は古書店主にして陰陽師でもある。 その京極堂の力を借りようというのだが、なぜか彼の態度はつれない・・・


魍魎の匣

原作は京極夏彦の同名小説。
以前に映画化された「姑獲鳥の夏」(うぶめのなつ)に続く京極堂シリーズ第2弾です。

内容よりもむしろキャスティングが最高に良い映画だと思います。
阿部寛の榎木津は、イメージにぴったりでハマり役。
椎名桔平の関口は、見るまでは自分の中にあった関口像と少し違う感じがしていたのですが、実際映画を見てみると納得。
堤真一の京極堂も見るまでは不安でしたが、京極堂、関口、榎木津の関係が面白く表現されていました。
中禅寺の言葉には説得力があり、世界に引き込まれてゆく魔力を感じます。
映画には勢いはありますが、テンポが速すぎる難点もあるかと思います。
じっくり楽しむには映画とともに本を読む必要あり、です。