手紙
兄貴、元気ですか?これが最後の手紙です。
2006年 日本
山田孝之/玉山鉄二/沢尻エリカ
工場で働く青年、武島直貴は工場で働く人間とも、自分に好意を持ち積極的に話しかけてくる食堂の由美子とも打ち解けようとしない。
ただ一人、大好きなお笑いを一緒に目指している祐輔以外とは誰とも関わらず生活している。
それは兄・剛志が弟を大学に行かせる為お金欲しさに家に押し入り、人を殺してしまったから。
無期懲役の判決を受け刑務所にいる兄からは毎月手紙が送られてくる。
直貴は返事の手紙を書いていたが、ある日兄からの手紙が工場の人間に見つかり、それがもとで工場を後にする。
やがてお笑いで祐輔と共に頭角を現す直貴だったが、そこでも兄のことが世間に知られてしまう。

加害者家族をとりまく社会と葛藤を描く。

東野圭吾さんの同名小説を映画化

兄・剛志(玉山鉄二)を思いながらも周囲からの差別や冷たい仕打ちに苦悩する直貴(山田孝之)を兄から弟へ、弟から兄への手紙を通して描いています。
手紙というアイテムがまたいいですね。メールや電話みたいにすぐ届くものではなくて、手紙。
兄は弟からの手紙だけを楽しみに刑務所暮らしをしています。
まあこれは冷たく言えば当然の報いです。人を殺したのですから。
でも弟は“人殺しの家族”という事で仕事も思うようにできず、愛した人とも結ばれることができない……
しだいに兄を遠ざけようとする苦しみを山田孝之くんが見事に演じています。
漫才をする彼にも注目!
そして兄を演じる玉山さんも、露出度は多くないものの素晴らしいです。

これは決して後味の悪い物語ではありません。あったかい気持ちになりました。