牛の鈴音
原題:ウォナンソリ(牛鈴の音)
その老いぼれ牛は、お爺さんと一緒に
30年も働きつづけた。
2008年 韓国/監督 イ・チョンニョル
チェ・ウォンギュン/イ・サムスン
 
 
牛の鈴音  

韓国ドキュメンタリー映画。

79歳の農夫・チェ爺さんには30年もの間、共に働いてきた牛がいる。
通常、15年の寿命と言われる牛だが、この牛は40年も生きている。
誰もが耕作機械を使って畑を耕し、農薬をまいて作物を育てるのに対し、チェ爺さんは牛を使って畑を耕し、牛が食べる草のために決して農薬をまこうとしない。
そんなお爺さんに長年連れ添ってきたお婆さんは不平不満がつきることはない。
しかしある日、獣医には「この牛はもう長くないないだろう」と告げられる。

何もないのに全てがある映画でした。
強いメッセージ性があるわけではないのに、なんだかゆっくり体に入ってくる作品です。
頑固な爺さん以上に、いい味を出しているのがお婆さん。
かなり“ボヤキ”ます。これがお爺さんに対しても牛に対しても、愛情たっぷりのボヤキで笑ってしまいます。
年老いた牛もお爺さんの愛情をしっかり分かっていたのではないでしょうか。
気がついたら涙が頬をつたっていました。