シド・アンド・ナンシー
原題:SID AND NANCY
1986年 イギリス
墓場でディープキス。
ゲイリー・オールドマン/クロエ・ウェッブ/ドリュー・スコフィールド
伝説のパンクバンド、セックスピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスとその恋人ナンシーの愛と破滅を描いた作品。

二人は出会って間もなく恋に落ちるが、シドに四六時中くっついているナンシーをバンドのメンバーは邪魔者扱い。
それでも二人の愛は深まっていったが周囲は冷たく、どんどん世間とのズレが生じるとシドの生活はヤク漬けで荒れるばかりだった。
まともにベースも弾くことができず、いずれ仕事も仲間も失ったシドにはもう薬しか逃げ道がなくなってしまう。
79年2月、ドラッグ中毒により21歳の若さで彼はこの世を去った。


破滅的としかいいようがない。
不器用な人は嫌いではないけれど、もう少し要領よく生きられないものかしら。
きっと二人の愛は純粋で本物であったろうと思いたいけれど、薬漬けであったがために世間に認められることはなかったのだろうと思う。
シドがドラッグの深みにハマっていく様をゲイリー・オールドマンが熱演していて、見ていてこっちまで吐きそうになるほど。
ナンシー役のクロエも大きな評価を受けました。
二人の演技も本物で、ストーリーが破滅的であるにも関わらず、暗く重い感じはまったくしません。
むしろ明るく、ふわふわした印象。
もしかしたらシドとナンシーは、二人でいる事で絶望的ではなく、こんな風にキラキラしていたのかもしれない。