ドルフィンブルー フジ、もういちど(そら)
きっとまた跳べる。
2007年 日本
松山ケンイチ/高畑充希/池内博之
沖縄、(ちゅ)(うみ)水族館に獣医として新任した植村一也。
データを見るだけの獣医ならいらない、という館長の方針で一也はイルカの餌の準備やプール掃除など、飼育員の仕事を毎日課せられ、不満を募らせていた。
しかし、課長から獣医としての心得を学んだり、3頭の子供を生み育て“ビッグ・マザー”と呼ばれるフジにようやく受け入れられ、少しずつ、飼育員の仕事を受け入れられるようになっていた。
そんなある日、フジの身体に異変が起こる。伝染病に侵され、尾びれが壊死し始めたのだ。
一也や飼育員たちは懸命に治療にあたるが、いっこうに良くならず、和也は尾びれを切断し、壊死を食い止めるという決断を下す。
なんとか一命を取りとめたフジだが、尾びれなしでは泳ぐこともできず、浮かんでいることしかできなくなってしまった。
ただ生かすことしか考えていなかった一也は、一人の少女が言い放った一言である事を思いつく。
それは、フジに人口尾びれを付けるという事。
一也は大手タイヤメーカーに単身交渉へ向かう。
なんとかもう一度フジを泳がせてやりたい!みんなの気持ちが一つになった。
そして、世界初の“人口尾びれプロジェクト”がはじまったのだ。

ドルフィンブルー

原案は岩貞るみこ著、ノンフィクション小説「もういちど宙へ」。
実際の出来事をもとにしたストーリー。

もっと“お涙頂戴”的な映画かと思っていました。が、そうではなかったのが良かったです。
泣きたい人には物足りないかもしれませんが、一種のドキュメンタリー作品なので、あまり作りこみ過ぎて陳腐になってしまうより、伝わりやすいのではないでしょうか。
“頑固で天邪鬼”なフジはまるで人間のよう。人口尾びれを付け、懸命に泳ぎ始める姿はとってもたくましく、美しかったです。
エンドロールで流れるフジの姿にとても癒されました。
現在もこのプロジェクトは進行中だそうですよ。
一也役の松山ケンイチくんの自然体の演技と、館長役の山崎努さんの貫禄ある演技も見物。